【VF塾レポート】ものづくり×スタートアップの可能性語り合ったイベントの様子をお届け

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2025/08/21

スタートアップと町工場のディスカッション──ベンチャーフレンドリー塾 開催レポート

2025年8月21日に行われたベンチャーフレンドリー塾の様子をお届けいたします。

今回は、日本最大級のスタートアップイベントIVSを運営されている今井 遵さん、物流自動化で急成長中のRENATUS ROBOTICSの安藤 奨馬さんにご登壇いただき「ものづくり×スタートアップの可能性」をテーマにお話いただきました。

後半では安久工機の代表取締役CEO田中宙を交え、スタートアップとものづくり企業のについてパネルディスカッションを行いました。

 

倉庫自動化の挑戦と「スタートアップ」という存在の意味

安藤さんは、自身が2022年に創業したスタートアップ企業の歩みを紹介しました。EC配送の需要が拡大する一方、倉庫現場は依然として人の手に頼るアナログ作業が中心であることを指摘。そこで開発した「RENATUS」によって、従来4分かかっていた出荷作業を12秒に短縮するという劇的な改善を実現した事例を語りました。

続けて安藤さんからはそもそもスタートアップとはというお話があり、「スタートアップとは、単に新しくできた会社ではなく、新しい価値を世の中に生み出そうとする存在だ」と強調しました。

安藤さんは投資家としての立場からも、ビジネスモデルよりも「この人は何かやりそうだ」という人の魅力やワクワク感を重視していると述べました。スタートアップの可能性と課題、そして日本の投資環境の現状についても熱く言及しました。

 

スタートアップと町工場──異なる道のりと交わる視点

続くパネルディスカッションでは、「スタートアップと町工場の共通点と違い」や「現場起点のイノベーションをどう生むか」というスタートアップと町工場に関するテーマの議論が展開されました。

田中宙からは、スタートアップと町工場は寧ろ同じところなんてないと考えていたが、町工場もはじめは誰もが夢や目標のあるスタートアップで、時代の経過や代替わりによって、このような気持ちは失われることが多いと指摘。また安久工機は創業56年目だが、スタートアップのような気持ちで大きな成長と目標の実現に向けて取り組んでいるとも語りました。

また「現場起点のイノベーション」をどう生むかについては、「受発注の関係を超えて一緒にものづくりをするには、本音で語り合える関係性が必要」と登壇者の意見が一致。安藤さんは現場に足を運ぶことの重要性を、田中さんは「現場を知らないスタートアップとは組みにくい」との町工場側の本音を明かし、会場に共感を呼びました。

 

スタートアップと町工場が交わる未来へ

今回のベンチャーフレンドリー塾では、スタートアップの最前線で活躍し、さらに投資家としてスタートアップを支える立場でもある今井さん、安藤さんのお話を通じて、スタートアップの定義や資金調達の考え方、そしてグローバル展開を見据えた事業の進め方など、現場感ある知見を伺うことができました。

また、スタートアップとものづくり企業の「共通点」と「違い」についての議論からは、事業の進め方や成長スピードに違いがあっても、「新しい価値を社会に生み出す」という根本的な目標は同じであることを改めて実感しました。

町工場の視点から見ても、スタートアップとの協業には学びや気づきが多く、現場を知り、腹を割って対話することでこそ、新しいイノベーションが芽吹く可能性があると感じます。

今回のイベントを通じて得られた学びを、今後の活動や連携に活かしながら、「ベンチャーフレンドリーなまち・大田区」の実現に向けて歩みを進めていきたいと思います。

 

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