塗装吊り治具(ハンガー)の種類を解説!製作依頼時のポイントは?

塗装吊り治具(ハンガー)の役割・利用シーンとは

塗装吊り治具(ハンガー)は、塗装工程でワークを吊り下げて固定するための専用ツールです。両面や全面の塗装が必要な場合や、凹凸など複雑な形状のワークを塗装する場合などに、塗装吊り治具は多く用いられています。

単に吊るすだけでなく、ワークを安定した位置に保持するためにも、塗装吊り治具は重要です。塗装吊り治具を用いてワークを正しい位置に固定できれば、塗装ムラを防ぎやすくなります。凹凸のあるワークは塗料が偏りやすいですが、治具を用いればワークを適切な角度、姿勢で維持でき、塗装を均一に仕上げやすくすることも可能です。

また、塗装中だけでなく塗装後の乾燥工程でも、接触を防いだり熱や空気の流れを均一にしたりするのに役立ちます。

塗装吊り治具の代表的な種類

塗装吊り治具には、ワークの形状や重量、塗装方式などに応じてさまざまなタイプがあります。代表的なタイプは、以下の3つです。

  • フックタイプ
  • クランプタイプ
  • カスタムタイプ

フックタイプは、シンプルな構造で広い範囲の形状に対応できる種類です。強固な固定が必要な場合は、クランプタイプが適しています。

ただし、ワークが特殊な形状であったり、独自の生産ラインに組み込んだりする際は、カスタムした特注治具が必要になることも多いです。

それぞれのタイプについて、詳しく解説します。

フックタイプの吊り治具

フックタイプは、フックをワークの穴や段差に引っ掛けて吊り下げる構造の塗装吊り治具です。構造がシンプルで軽量であるため、小型部品や量産ワークに多く利用されています。

フックタイプの利点は、以下のとおりです。

  • 交換・清掃が容易でメンテナンス性が高い
  • 多種類の形状に対応できる
  • コストが比較的低い

フックタイプは、自動車の小型金具や軽量な家電部品などのワークに適しています。ただし、ワークに穴や段差がないと引っ掛けられないため、ワーク自体の設計によっては以下のクランプタイプやカスタムタイプのアイテムが必要になることもあります。

クランプタイプの吊り治具

クランプタイプは、治具の先端でワークを挟み込み、固定する構造になっています。安定性が高く、吊り穴や段差のないワークにも適用できる点が特徴の吊り治具です。重量のあるワークや厚板製品のように、強固な把持力が求められるワークにも適しています。

クランプタイプの主な利点は、以下のとおりです。

  • ワークを確実に固定できるため振動や回転でも位置ズレしにくい
  • 塗り残しの発生が少なく、外観の品質を維持できる

ただし、ワークを強い力で挟み込むため、傷がつかないよう工夫が必要です。治具との接触箇所には塗り残しが発生する可能性があるため、塗装が必要ない面にフックを引っ掛けられるような設計も求められます。

カスタムタイプの吊り治具

製品形状が特殊であったり、独自の生産ラインへの対応が必要であったりする場合は、カスタムタイプの吊り治具が必要です。カスタムタイプは、ワークの重心・取付角度・塗装範囲、搬送などを考慮し、専用フレームや交換式アタッチメントなどを組み合わせて構成されます。

加工内容によっては、ワークの交換のしやすさや耐熱性・耐薬品性などの確保が必要なケースもあります。塗装だけでなく、乾燥などの工程でも利用可能な設計を考慮しましょう。

安久工機では、塗装時に用いられる吊り治具のオーダーメイドのご依頼に対応しています。治具の製作実績が豊富な弊社スタッフが、作業内容に応じて適切な治具の設計をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

塗装 吊り治具 作業の様子

塗装吊り治具製作依頼時のポイント

塗装吊り治具の製作を依頼する際は、塗装方式やワークの形状、使用環境などを明確に業者に共有することが大切です。ワークの形状や利用シーンに応じて、適した形状や素材を選ぶ必要があるためです。

治具の素材や種類選びだけでなく、生産効率や作業性を高められるような吊り数や取り付け方法も事前に検討しましょう。脱着性などを考慮することで、塗装ライン全体の効率アップにつながります。

以下では、塗装工程に適した素材・表面処理の選び方や吊り数・取り付け方法の検討について、詳しく解説します。

塗装工程に適した素材・表面処理

塗装吊り治具の製作依頼時には、塗装工程に適した素材・表面処理を選択しましょう。

塗装吊り治具の素材には、ステンレスや鉄などが多く用いられます。ステンレスは耐食性が高く、薬品剥離に強いことが特徴です。高温でも変形しにくく、高温乾燥炉の使用を想定する場合に適しています。

一方、鉄は加工しやすく、コストを抑えられる素材として多くの塗装吊り治具に採用されています。ただし、錆を防ぐために耐熱塗装やめっき処理を併用する必要があります。

適切な素材、処理が施された治具を使えば、メンテナンスや買い替えの手間やコストも省けるでしょう。

吊り数や取り付け方法の検討

吊り数や取り付け方法の検討も、塗装吊り治具の製作依頼時に考えるべきポイントです。塗装の生産効率を高めるためには、1台あたりの吊り数を増やしたり、脱着作業をスムーズに行えるようにしたりすることが大切です。

吊り数は、ワークの形状・重量・塗装範囲などに応じて設計しましょう。密度が高すぎるとムラが生じやすくなるため、塗布角度と風通しを考慮することも大切です。

フックやクランプは、交換式の構造にすることで多品種の対応や補修が容易になります。交換が簡単になれば、作業の段取り時間を削減でき、生産ラインの稼働率向上にもつながります。

塗装 吊り治具 作業の様子

塗装吊り治具の特注製作は安久工機へご相談ください

吊り治具は、塗装の品質を向上させるだけでなく、作業効率のアップにも役立ちます。特注品の製作を依頼する際は、どのような形状、素材のワークに使うのか、使用する塗料は何なのかなどを明確にしたうえで、よりスムーズに作業できるような設計を検討しましょう。

安久工機は、治具の設計から製作まで、一貫してお任せいただける製作会社です。10,000件以上の対応実績がある経験豊富なスタッフが、御社の「こんな治具が欲しい」「こんな機能があればいいのに」といったお声を形にするお手伝いをいたします。
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