心臓シミュレーターの試作・開発について~安久工機は医療の発展をサポートします~

心臓 シミュレーター 使用の様子

心臓シミュレーターの研究開発なら安久工機へ

心臓シミュレーターの研究開発において、工学的な面でサポートを必要とする方もいるのではないでしょうか。心臓の機能をシミュレートするには、具体的にどのような機構にしなければならないのか、また必要な部品や材料の選定など、工学的な検討が必要になります。
このように工学の深い知識と技術が必要となる場合、医工学に造詣が深い試作・設計・製作を行う会社に依頼し、共同でプロジェクトを進めていきます。

安久工機は医工学に対して専門知識を有しており、これまで多くの試作・開発を行って参りました。もし心臓シミュレーターの研究開発において、医工学に詳しいパートナーをお探しの方は、安久工機へお問い合わせください。

心臓 シミュレーター モールドやチューブなど

今回のコラムでは、実際にどのような心臓シミュレーターが製作できるのか、またシミュレーターを使用してどのようなことができるのかを、弊社のこれまでの経験・実績とともにご紹介します。

心臓シミュレーターの開発目的と期待される効果

心臓シミュレーターは医療機器の開発、心臓病の研究などの目的で開発されます。そもそも、人工臓器関連のシミュレーターがまだ開発されていなかった時代にそういった研究を行う際は、動物実験が主流でした。しかし、現在では医工学の研究が進み、人工心臓や人工弁が開発され、機械によって精密に再現することができるようになりました。弊社が開発に携わった「血液循環シミュレータ」もまた、動物実験が主流の時代に開発したことで動物実験への依存を抑え、医療機器や治療の研究の可能性を大きく広げました。

「血液循環シミュレータ」は心臓などの各臓器を流れる血液の循環動態を確認することができ、心臓の拍動流を再現しています。ここでは一例として、心臓シミュレーターで循環動態を確認することができるということが、どのような効果をもたらすのかをご説明します。

心臓シミュレーターで循環動態を確認

循環動態は心臓や血管を流れる血液の状態を指しますが、これらは血圧、心拍出量、血管の抵抗それぞれのバランスによって循環が行われます。心臓シミュレーターは、さまざまなケースで起こりうる循環動態の変化を機械的に再現できるため、手術で行われる術式に対して、術後の心臓機能や循環動態を予測することができるのです。

その他にも、循環動態が確認できる心臓シミュレーターは、心臓疾患や循環疾患の新たな手技手法の研究や手術・治療の訓練などで、医学の発展やスキルの向上といった効果をもたらしています。弊社が開発した「血液循環シミュレータ」もまた、医療機器開発の場で活用されています。

心臓シミュレーターの具体的活用例

心臓シミュレーターはリアルな心臓の動きや拍動を再現し、なおかつ低リスクで安全に使用することができるため、さまざまなシチュエーションで活用されています。特に研究や実験が行われる場面では、実際の心臓に近い条件が求められることから、それだけ正確な性能と目的にあわせた機能を搭載する必要があります。
心臓シミュレーターの試作・開発のご依頼の際には、打ち合わせ時に必要な要件をお知らせください。実現性を考慮しながら要件をできる限り満たせるよう設計します。

なお、心臓シミュレーターは研究や実験以外の場面でも活用されています。ここからは、心臓シミュレーターが具体的にどのような場面で使用されているのか、医療機器開発と臨床現場の二つの場面に分けてご紹介します。

医療機器開発における活用

医療機器の開発では、具体的に以下のようなシチュエーションで心臓シミュレーターが使用されます。

  • 仕様・設計の検討
    心臓シミュレーターで性能や機能が適切であるかを確認し、細部の調整を行います
  • 機能・性能の評価
    心臓シミュレーターを使い、開発中のプロトタイプの医療機器の性能や機能をテストし、予測通りの動きをするか、改善点や課題がないかを評価・確認します
  • 安全性の検証
    さまざまなリスクに対しての安全性の確認を心臓シミュレーターで行います
  • 臨床前試験
    患者による臨床試験前に心臓シミュレーターを使用して試験を行い、臨床現場での要求を満たしているかを確認します。

開発中の医療機器の仕様、または上記のような活用方法に応じて心臓シミュレーターに求められる性能や機能は異なります。どのような場面で使用したいのか、目的や用途も具体的にお伝えいただくとスムーズです。

臨床現場での実践的な教育に活用

臨床現場では、以下のようなトレーニングをする際に心臓シミュレーターが使用されます。

  • 手技手法のトレーニング
    心臓手術やカテーテル治療など、技術を要する場合におけるトレーニングに使用します。実際の手術や治療時と同じような環境で技術の習得を可能とします。
  • 新しい医療機器・器具のトレーニング
    新しい医療機器や器具を扱う際に、心臓シミュレーターを使用して正しい使い方や操作方法を確認できます。
  • 緊急時の治療や対応の確認・トレーニング
    さまざまな病例を再現した心臓シミュレーターを使用することで、緊急時の治療や対応の確認やトレーニングをすることができます。
  • チームワークの向上
    治療にあたりチームで動く際の実践的なトレーニングに使用されます。技術の向上だけでなく、チームワークと円滑なコミュニケーションスキルを向上させます。

このように臨床現場で心臓シミュレーターを活用することで、より実践的なトレーニングや訓練を行うことができ、なおかつレベルの高い技術の向上にも繋がるのです。

安久工機の技術力とサポート体制

心臓シミュレーターの試作・開発には工学の知識や技術が必要となりますが、一体どこで相談できるのか、相談先をお探しの方もいるのではないでしょうか。

もし相談先をお探しであれば、安久工機へお問い合わせください。医療機器や器具の試作・開発に関して、安久工機では豊富な知識と経験があります。過去にご依頼のあったお取引先からは大変ありがたいことに厚い信頼をいただいており、長いお付き合いが続いております。

ここからは、より弊社について知っていただくために、過去の事例や対応範囲についてご説明いたします。

医工学に対する知識・実績が豊富

医工学の豊富な知識・技術を有する田中隆(弊社代表)は、国立循環器病センター研究所の研修生として人工臓器の研究、そして設計開発を担当した経験があります。2011年には早稲田大学大学院 先進理工学研究科博士号を取得し、その専門知識と技術により早稲田大学や東京女子医科大学をはじめとする多くの大学や研究機関とお取引をさせていただいております。

お取引先からのご依頼で開発に携わった人工心臓関連の装置や部品は、いずれも革新的で医工学を介して人工心臓研究の発展に導きました。弊社が開発に携わった代表的な装置・部品を挙げるとすれば、「血管循環シミュレータ」と「Ozサイザー」があります。

心臓 シミュレーター 血液循環

「血管循環シミュレータ」は循環動態と拍動流を再現した装置です。心臓から血液を送り出す拍動流の再現は難しく、まさに医工学の知識がなければ実現できません。この「血管循環シミュレータ」は、新たな医療機器開発の場で活用されています。

心臓 シミュレーター Ozサイザー

シミュレーター以外にも、医療器具や部品の試作・開発に携わっています。その代表的な例の一つである「Ozサイザー」は、大動脈弁形成術に使用される器具です。患者自身の心膜から弁を作り出す手術法を開発した、東邦大学医療センター大橋表印の尾崎重之教授からご依頼をいただき、設計・試作を行いました。

これまでの手技手法とは異なり、経済的に優しく、生体適合性にも優れているこの弁尖サイザーを用いる手術件数は、現在では400例を超えております。

心臓シミュレーター開発における課題解決をサポート

試作・開発においては、試作品の評価時に課題や問題点が見つかれば、その原因を探り、再度仕様検討をして設計・試作品製作を行い、評価を繰り返します。

その試作にも種類があり、製品化・実用化するためには多くの条件をクリアしなければなりません。

  • 原理・機能試作・・・原理・機能が正常に機能するかを評価
  • デザイン試作・・・使用者・使用感を考慮した外観を検討
  • 量産前試作・・・金型による量産性を高めるための形状を検討
  • 量産試作・・・量産開始前に不良などがないか確認

大量生産を視野に入れる場合は、原理試作~量産試作を経てようやく量産に進みます。なお、一品モノの製作の場合は原理試作・機能試作・デザイン試作までを行います。
安久工機では、同じプロジェクトを進めるチームの一員となって、課題や問題点が出た際にはものづくりの視点からアドバイスいたします。

心臓シミュレーターの研究開発のご相談はこちら

心臓シミュレーターの研究開発の試作において、プロジェクトのパートナーをお探しの方は安久工機のウェブページにあるお問い合わせ先よりご連絡ください。

弊社は、これまでに人工臓器関連の装置・部品の開発に携わってきた経験と、新しい医療機器や治療法の開発を支援してきた実績を活かし、より専門的な視点からサポートいたします。
心臓シミュレーターの仕様検討から試作品製作まで一貫対応しておりますので、

「図面が用意できない」
「どんな機能や性能が必要か分からない」

このような場合でも問題ありません。まずはお気軽にご相談ください。

【お問い合わせ先】
電話番号:03-3758-3727
FAX:03-3756-1250
お問い合わせフォーム