ヘリサート加工とは?モノづくりの基礎知識をご紹介
ヘリサート加工とは、簡単にご説明をすると「ヘリサートを用いてめねじを補強する加工」のことです。母材にコイル状の部品「ヘリサート」を追加する加工で、インサート加工とも呼ばれています。
アルミ合金や樹脂など柔らかい素材の場合、そのままの状態だとめねじ(ネジ穴)が弱いため、しっかりとネジを締めるとネジ山がつぶれてしまう可能性があります。製品の不良につながる恐れがあるため、このような場合にヘリサート加工でめねじ(ネジ穴)を強化します。
めねじの強化のほか、ピッチの調整(ネジ山間の距離)としても利用できる点も特徴で、自動車部品、航空機器、精密機器など、耐久性と信頼性が求められる分野で広く利用されています。
ヘリサートの種類
ヘリサートは、タング(出っ張り部分)がある「タング付きヘリサート」、そしてタングが無い「タングレスヘリサート」の2種類があります。
タング付きヘリサートは挿入する際、工具の先にタングをひっかけて使用し、挿入後はタングを折ります。
タングレスヘリサートの場合は、挿入後のタングの始末をする必要が無いため、効率の良い作業が可能となります。
タングの有無の他にも、コイルが多角形になっているロックタイプもあります。このタイプは温度変化や振動などの影響による緩みを抑制したい場合に使用されます。
ヘリサート(インサート)加工のプロセス
ヘリサート加工のプロセス(基本的な手順)についてご紹介します。
(1)下穴をあける
ネジのサイズに適した大きさのドリルで母材に下穴をあけます。
(2)タップをたてる
専用のタップを使ってネジ切りを行います。これにより、ヘリサートがしっかり固定されるネジ山が形成されます。
(3)ヘリサートの挿入
工具を使用して、ヘリサートをねじ込んでいきます。この際、下穴の寸法が適切であることを確認しながら、丁寧に作業を進めることがポイントです。
※ヘリサートの種類によっては、挿入後にタングを折って除去します。
ヘリサート加工によって、強度の高いネジ山が母材に形成され、繰り返しの使用にも耐えることが可能となります。
ヘリサート加工の注意点
ヘリサート加工の注意点についてご紹介します。
ヘリサート加工は基本的にひとつひとつ手で加工を行うため、ロットが多いほど加工の費用が高くなる傾向があります。
このため、母材がコスト削減を目的に選ばれている場合には、ヘリサート加工によって加工費がかえって高くなる可能性もあります。このような場合には、ヘリサート加工にこだわらず、強度の高い別の素材を選定することがコスト削減につながる場合もあります。
製品の用途や要求される性能に合わせて、ヘリサート加工の有無を検討することが重要です。
ヘリサート加工のご依頼は安久工機まで
ヘリサート加工をはじめ、モノづくりに関するご相談はぜひ安久工機にお任せください。
弊社は、用途に合わせた最適な加工方法をご提案し、製品の精度や耐久性の向上をサポートいたします。
また、製品の用途や要求する性能に応じた素材選定のアドバイスも行っています。たとえば、「軽量化を図りたい」「コストを抑えつつも強度を高めたい」など、製品開発におけるお悩みがあれば、ぜひご相談ください。経験豊富な設計者と専門スタッフが、最適なご提案をいたします。
製品作りで何かお困りのことがございましたら、お気軽に安久工機までお問い合わせください。
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