内径クランプ治具は特注制作すべき?お悩み別の選び方を解説

内径クランプ治具とは?

内径クランプ治具とは、ワークの内側を固定し、高精度な加工を可能にする治具です。内径クランプ治具は、ワークの内側から均一な力で固定することによって、外周を掴めない円筒形部品や変形しやすい薄肉部品にも適用可能で、加工中のワークの歪みを抑えることが可能です。

また、内径クランプはワークの内側から均一な力を加えるため、位置ズレのリスクを大幅に軽減し、安定した加工精度を維持できます。
このように、内径クランプは、ワークの外周を固定する治具などでは対応が難しい形状のワークをしっかり固定し、高品質な加工を実現するために重要なツールです。

安久工機では、ワークを内側からしっかり固定できる内径クランプ治具の特注製作のご依頼を受け付けています。医工学分野など、高い精密性が求められる業界での製作実績が多数あり、50年以上、10,000件以上の案件にお応えしてきた安久工機に、ぜひお任せください。

内径クランプ治具を利用するメリット

内径クランプ治具には、さまざまなメリットがあります。

まず、内径クランプ治具を用いることで高精度な位置決めが可能です。ワークの内側から均等な力で固定することで、ズレを最小限に抑えられます。ミクロン単位の精度が求められる加工でも、安定した品質を確保できるのが特徴です。

また、外周に固定スペースがないワークにも対応できる点も大きなメリットです。固定が難しい円筒形状の部品や、外側に干渉してはいけないワークの場合でも、内径クランプ治具ならしっかり固定できます。

さらに、固定時のワークの変形を防げるため、薄肉部品の加工にも最適です。均等な圧力で固定するため、歪みや応力が発生しにくく、美しい形状を維持できます。内径クランプ治具を使用する具体的なメリットについて、詳しく見ていきましょう。

高精度な位置決めができ、ズレを防げる

内径クランプ治具を使用することでワークを均等に固定でき、位置決め精度が向上するため、加工中の振動や外的な力による位置ズレを防げます。
内径クランプ治具はワークの内側から均等な力で固定するため、加工中の安定性を高めることが可能です。

精密加工を必要とする航空機部品や医療機器部品などでは、ミクロン単位の精度が求められます。内径クランプ治具を使用することで、微細な位置ズレを防ぎ、高品質な仕上がりを実現できます。

さらに、内径クランプ治具は部品の内側にフィットする設計のため、均等な圧力で安定した位置決めができ、加工中の振動による微細な位置ズレのリスクも軽減可能です。
その結果再加工の手間が省け、生産効率も向上します。

外周にクランプできる場所がなくても加工できる

内径クランプ治具を使用すれば、ワークの外周にクランプスペースがない場合でも、安定した固定が可能です。外周をクランプして固定する治具は、ワークの形状によっては十分なクランプ面が確保できず、使用できないケースがあります。
しかし、内径クランプ治具を用いれば、ワークの内側に均一な力をかけながら固定でき、外周につかめる箇所がない場合でも高精度な位置決めが可能です。

また、外周をクランプしないことで、加工工具がワークの外周に干渉しにくくなり、旋盤加工やフライス加工などにおいて外周加工がスムーズになります。
均等な圧力で固定できるため、ワークにかかる負荷を最小限に抑えながら、長時間の加工にも耐えられるというメリットもあります。

薄肉部品などの歪みを最小限に抑えられる

内径クランプ治具には、分割された口金を使用することで、薄肉部品に均一な圧力をかけながら固定し、クランプや外部からの力による歪みの発生を抑える仕組みのものがあります。
クランプのなかには、一部に集中して力が加わることでワークが変形しやすくなるものもありますが、上述のような内径クランプ治具では複数の口金が内側から均等に押し広げて固定するため、ワーク全体にバランスよく力が分散されます。

航空機部品や医療機器部品のように、精密加工が必要な薄肉ワークでは、わずかな変形が品質に影響を与えるため、この仕組みが重要です。分割口金はワークの内径にフィットする設計になっており、加工中の振動や外部からの力によるズレを最小限に抑えながら、安定した固定を実現します。

お悩み別の内径クランプ治具の選び方

内径クランプ治具にはさまざまなバリエーションがあり、加工内容やワークの特性に応じて最適なものを選ぶことが大切です。例えば、貫通穴がないワークの場合、通常の内径クランプ治具では固定が困難ですが、下から操作できるタイプを選ぶことで対応できます。

また、ワークの内径に傷をつけたくない場合は、セグメント口金付きの治具が有効です。均等な圧力でクランプできるため、精密加工を必要とする部品に適しています。

適切な内径クランプ治具を選ぶことで、加工精度や作業効率の向上につながります。加工内容別に、内径クランプ治具の選び方をチェックしていきましょう。

貫通穴がなく通常の内径クランプ治具が使えない

ワークに貫通穴がない場合、一般的な内径クランプ治具では適切に固定できず、加工が困難になります。このようなケースでは、下から操作できるタイプの内径クランプ治具を使用することで、ワークの固定が可能です。

下から操作できる内径クランプ治具は、ワークの底面から治具を挿入し、ワークの内側に向かって広げることで固定する構造になっています。貫通穴がなく、外周にスペースがなくても安定した固定が可能です。

ワークの形状や加工内容、特定の機能によっては標準治具では対応できない場合があるため、特注製作を検討する必要もあります。適切な治具をオーダーし、加工の自由度を高め、効率的な生産体制を構築していきましょう。

内径にクランプ治具の傷や跡をつけたくない

セグメント口金付きの内径クランプ治具を使用することで、ワークの内径を傷つけるリスクを最小限に抑えながら、確実に固定できます。
強い締め付け力を必要とする治具を使用すると、ワークの内面に直接的な圧力がかかり、加工後に傷や跡が残ることがあります。

しかし、セグメント口金は内径全体に均等な力を分散するため、負荷が一点に集中せず、傷がつきにくいのが特長です。
また、ゴム製パッドや特殊コーティングを施したツールと組み合わせることで、さらに傷つきにくい環境を整えられます。

内径クランプ 治具 作業の様子

内径クランプ治具の製作依頼は安久工機へご相談ください

内径クランプ治具は、外周にクランプできないワークだけでなく外周を傷つけたくないワーク、薄肉ワークなど、さまざまな部品の加工時に役立つアイテムです。
加工に取り入れるメリットを理解し、必要な形状、機能、素材などに応じて、特注製作の依頼も検討してみましょう。

安久工機には、治具の製作実績が多数あります。これまでに多数の設計、加工をおこなってきた経験があるため、お客様のご要望に適切にお応えすることが可能です。
設計図がない、具体的にどのような機能が欲しいか悩んでいるという段階でも、安久工機のスペシャリストがお客様のアイデアを具現化する提案をいたします。
内径クランプ治具など、精密性が求められる治具の特注製作の依頼先のお悩みの事業者様は、ぜひ以下のフォームよりお問い合わせください。

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