
旋盤加工用チャック・治具にはどのような種類がある?
旋盤加工において、ワークの固定に欠かせないのがチャックです。
チャックは、その構造や動力の違いによっていくつかの種類に分かれており、加工物の形状や要求される精度に応じて使い分けが求められます。代表的なものにはスクロールチャック、油圧パワーチャック、エアーチャックなどがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。
また、治具はワークの位置決めや固定を補助するツールです。チャックと組み合わせて使用することで、複雑な形状のワークにも対応できます。
このように、旋盤加工用のチャックと治具の選定は、加工精度や生産性を左右する重要なポイントです。用途や工程に応じて最適なチャックや治具を選ぶことが、製品の品質と作業効率の向上につながります。
スクロールチャック
スクロールチャックは、旋盤加工のなかでも使用されることの多いチャックの一つで、主に複数本の爪を同時に動かしてワークを把持する構造になっています。
内部のプレートによって爪が連動して動くため、ワークを素早く、かつ中心を自動調整しながら固定することが可能です。とくに円形や六角形のワークの旋盤加工に広く使われています。
また、交換用の爪が豊富に揃っており、ワーク形状にあわせて生爪を加工することで治具的な役割も果たしてくれます。
スクロールチャックは手動での操作が中心となるため、自動化ラインにはやや不向きです。
油圧パワーチャック
油圧パワーチャックは、油圧の力を用いて爪を強力に締め付けるタイプのチャックです。内蔵されたシリンダーが油圧で作動し、安定した把持力を長時間維持できるため、高速回転時や重切削を伴う旋盤加工においてとくに役立ちます。専用の生爪や治具と組み合わせることで、複雑な形状のワークにも対応可能です。
油圧パワーチャックは、作業者の手を介さず自動でワークを固定・解放できるため、作業時間の短縮や省人化にも貢献します。また、把持力のバラつきが少なく、加工精度や品質の安定にも役立ちます。
一方で、構造が複雑なためメンテナンスには専門知識が求められる点や、初期の導入コストが高めである点には留意が必要です。
エアーチャック
エアーチャックは、圧縮空気を動力源としてワークを把持するタイプのチャックです。油圧方式に比べて部品点数が少なく本体もコンパクトな設計のものが多いため、回転速度が高い加工や小型部品の加工にも適しています。空気圧による開閉動作は高速で、かつ安定しており、旋盤加工における繰り返し精度にも優れているのが特徴です。
また、エアーチャックは油圧ユニットが不要なことから省エネ性能にも優れ、設置スペースやランニングコストを抑えられるというメリットもあります。定期的なメンテナンスも比較的簡単で、現場の負担を軽減することも可能です。小型ワーク用の治具との併用により、さらに多様な加工にも対応できます。
ただし、油圧に比べて把持力が弱いため、重切削や大型ワークには不向きな場合があります。
安久工機では、旋盤加工に用いられる治具の特注製作が可能です。高精度な位置決めや固定が必要な旋盤加工に必要な治具の製作は、安久工機にお任せください。
旋盤加工用チャックの生爪と硬爪の違い
旋盤加工において重要な要素のひとつが、チャックの爪の種類です。爪には大きく分けて生爪と硬爪があり、それぞれの特徴や用途によって適切に使い分ける必要があります。
生爪は焼き入れ処理がされていない状態の爪で、ワークにあわせて削り出して治具的な役割を持たせれば、密着性の高い把持が可能です。
一方、硬爪は焼き入れ処理が施されており、一定の形状に仕上がった状態で使用されます。硬度が高いためほとんど摩耗せず、繰り返し使えるのが特徴です。
旋盤加工に用いられるチャックにおける生爪と硬爪の違いを、詳しく解説します。
生爪は成形可能な旋盤チャックの部品
生爪は、軟らかい素材でできており、ワークごとに削って成形することが可能です。成形加工を施すことで複雑な形状のワークとの接触面もぴったり合うため、高い把持精度と安定した加工を実現することが可能です。ワークの形状にあわせて加工された生爪は、専用治具としての役割を果たし、位置決め治具のようにも機能します。
生爪はワークに応じて都度削る必要があるため、段取りに時間がかかります。ですが、旋盤加工時のズレやブレを最小限に抑えられることから、仕上げ工程や高精度が要求される加工での使用におすすめです。固定治具としての性能も高く、専用治具を別途製作するよりもコスト面で有利な場合もあります。
硬爪は一定形状の旋盤チャックの部品
硬爪は、焼き入れ処理された高硬度の素材で作られた旋盤チャックの爪で、あらかじめ一定の形状に仕上げられているのが特徴です。
硬度が高く摩耗しにくいため繰り返し精度が高く、量産工程において安定した加工が可能です。
硬爪は成形が不要なため、段取り時間を大幅に短縮でき、生産効率の向上にもつながります。
一方で、ワークの形状が爪の形状に合っていないと、把持力が不均一になるリスクもあります。また、ワークごとにあわせた細かな調整はできないため、高い精度が求められる旋盤加工よりは、荒加工に用いられることが多いです。

旋盤加工用チャック・治具の製作を依頼する際のポイント
旋盤加工用のチャックや治具の特注品の製作依頼をする際は、事前の準備と確認が大切です。依頼内容の精度が、完成品の品質や納期、使い勝手を大きく左右します。
まず、加工するワークの寸法・材質・形状・加工工程を明確にし、使用環境や設備情報(旋盤の型式やチャックサイズなど)もあわせて整理しておきましょう。
次に、チャックや治具の製作業者との打ち合わせでは、単に図面を渡すだけにとどまらず、加工精度の要求値や把持面の条件、ワーク脱着の頻度など、現場での実際の使い方を具体的に伝えることがポイントです。
さらに、過去の不具合の事例や改善点があれば共有することで、より現実的で使いやすい治具の提案を受けられることもあるでしょう。
旋盤加工用のチャックや治具は、それ自体が旋盤加工の品質と効率を左右する重要な要素です。信頼できる業者選びと丁寧なコミュニケーションが、理想的なチャック・治具の導入には大切です。

旋盤加工用チャック・治具の特注製作は安久工機へ
旋盤加工に用いられるチャック、治具の品質は、加工の品質に大きく影響を与えます。加工対象のワークに適した種類を選び、必要であれば特注のチャックや治具を用意する必要もあります。
安久工機では、旋盤加工用の特注治具の製作が可能です。1969年の創業以来、50年以上モノづくりに携わり続けてきた実績があり、これまでに10,000件以上のご依頼にお応えしてきました。
設計段階から製図、加工、調達、組立調整まで、経験豊富な技術者が対応いたします。治具の特注製作の依頼先にお悩みの事業者様は、ぜひ一度安久工機へご相談ください。
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