位置調整治具を選ぶ際の3つのポイント
位置調整治具を選ぶ際は、以下の3つのポイントに注意することが大切です。
- 位置調整の精度と再現性が高いか
- 位置調整する対象や作業内容に合った設計か
- 耐久性やメンテナンス性が優れているか
位置調整治具は、加工や検査などの工程で精密な位置決めをおこなうための重要なツールです。適切な治具を選ぶことで、製品の品質安定や作業効率の向上などを図れます。
以下では、位置調整治具を選ぶうえで重要な3つのポイントについて、詳しく解説します。位置調整治具の選び方や特注品の製作の依頼先にお悩みの事業者様は、ぜひ参考にしてみてください。
位置調整の精度と再現性が高いか
位置調整治具を選ぶ際のポイントの一つが、位置決めの誤差の少なさと再現性の高さです。
位置調整治具は、加工や組み立て、検査などをおこなう際に決められた場所へ部品を固定するためのツールです。
精度の高いものであれば、数十ミクロンオーダーのズレも調節できます。正確な位置で部品を固定することで、加工や組み立てなどの精度が向上します。
繰り返し使用しても安定した精度を保てることも、ツールを選ぶ際に重要な要素です。作業者や作業環境などが異なると精度が変わるツールでは、品質を一定に保ちにくくなってしまいます。精度の再現性が高いツールを選び、不良品の発生を抑えることが大切です。
位置調整する対象や作業内容に合った設計か
対象部品や作業内容に合った設計かチェックすることも、位置調整治具を選ぶ際に重要です。
治具と部品の形状が合っていなければ、適切な位置調整ができません。とくに複雑な形状の部品を取り扱う際は、その形状に合わせて専用に設計した治具が必要です。対象部品に合わせた形状のツールを特注で製作することで、加工の精度も高められます。
形状だけでなく、作業環境を考慮することも大切です。たとえば溶接など、高温での使用を想定する場合は、耐熱性に優れた材質を選ぶ必要があります。
作業内容に合わせた治具の製作を依頼し、加工精度の向上や作業者の負担軽減につなげましょう。
安久工機では、位置調整治具の製作依頼をお受けしています。特殊な形状に合わせた高精度の治具の製作を、設計段階からサポートいたします。
「正確な位置決めをする必要がある」「作業効率を高めたい」など、位置決めに必要な治具に関するお悩みはぜひ安久工機にご相談ください。
耐久性やメンテナンス性が優れているか
位置調整治具を選ぶ際は、耐久性やメンテナンス性に優れているかどうかも確認が必要です。すぐに壊れると、製作にかかるコストを回収できなかったり、メンテナンスしにくく故障のリスクが高まったりします。
耐久性の高い素材や適切な表面処理などを施せば、摩耗や腐食に強く、長期間安定して高精度の位置決めをしやすくなるでしょう。
また、定期的に手入れできる構造に設計することも大切です。たとえば、部品の把持部や位置決めピンなどが交換可能な設計であれば、故障時に部品を交換するだけで対応できます。部品を分解できる設計なら、部品を交換できるだけでなく拭き取りなど、日々のメンテナンスもおこないやすくなります。
位置調整治具で位置決めをする方法
位置調整治具を使用した位置決め方法は、部品の形状や加工内容によってさまざまな種類があります。
たとえば、固定基準面に部品を押し当てて位置決めする方法です。部品を決まった位置の基準面に押し当てることで、部品が安定し、正確に位置を決められます。二つ以上の基準面を使うことで、より精度の高い位置決めが可能です。
ほかにも、位置決めピンを使用する方法があります。治具に設置した位置決めピンと、部品にあらかじめ開けておいた穴を組み合わせて位置決めをおこなう方法です。ピンを部品の穴に通すことで、精度よく位置を決めやすくなります。
また、V溝を使う方法もあります。V溝に部品を嵌めることで、円筒形の部品などの位置決めが可能です。
部品の形状や加工の目的などに応じて、最適な位置決め方法を選びましょう。
位置調整治具で固定する際の注意点
位置調整治具で固定する際は、以下の点に注意する必要があります。
- ほかの加工ツールとの接触がないように固定する
- 歪みやズレがないように固定する
高品質なツールであっても、誤った方法で部品を固定した場合、対象部品が壊れたり、加工精度が低下したりする恐れがあります。
以下では、位置調整治具を使った位置決めにおいて気を付けるべきポイントを詳しく解説します。位置調整治具は、製作だけでなく使用時にも注意点があることを留意しておきましょう。
ほかの加工ツールとの接触しないように固定する
位置調整治具で固定する際の注意点の一つが、ほかの加工ツールと接触しないようにすることです。治具が工具などのほかのツールに接触すると、加工精度の低下だけでなく、機械の損傷や作業者の危険にもつながる恐れがあります。
治具と加工ツールとの干渉を防ぐためには、両者の間に適切な距離を設けることが大切です。適切な距離が空いていれば、接触のリスクを低減できます。
治具の設計段階から実際の作業環境、設備などを具体的に想定し、シミュレーションをおこなったうえでほかのツールと接触しない設計にすることも重要です。
歪みやズレがないように固定する
歪みやズレがないように固定することも、位置調整治具を使用する際に重要です。適切に固定しないと、加工中に部品が変形したり、位置ズレが生じたりする可能性があり、高精度な加工をおこなえません。
歪みやズレを防ぐためには、固定時にかかる力や固定する位置などに注意が必要です。固定する力が強すぎると部品が変形し、弱い場合は加工中に部品が動いてしまう恐れがあります。また、固定位置が偏っていると、片側の固定力が不均等になり、その部分がズレてしまう可能性があります。
一般的な位置調整治具での対応が難しい場合は、部品の形状に合った特注品を製作し、より精密な位置決めを実現しましょう。
位置調整治具の特注製作なら安久工機にご相談ください
位置調整治具は、製品や部品を加工する際の精度を左右する重要なアイテムです。適切な位置調整治具を使えば、加工精度を高められるだけでなく作業効率の向上などにも役立ちます。
位置調整治具はさまざまな種類がありますが、製品や部品に合わせて、適切な治具を選ぶことが大切です。
安久工機では、位置調整治具の特注製作のご依頼をお受けしています。50年以上モノづくりに携わり続けてきた実績があるプロフェッショナルが、設計段階からアイデアを具現化させていただきます。
「市販の位置決め治具では精度が低い」「複雑な形状の部品を固定したい」など、位置調整治具に関するお悩みは、安久工機にご相談ください。
【お問い合わせ先】
電話番号:03-3758-3727
FAX:03-3756-1250
お問い合わせフォーム