粉体搬送コンベアでどうやって運ぶ?輸送方法や用途について解説

粉体搬送コンベア 設計図

粉体搬送コンベアの特徴

粉体搬送コンベアとは、化学製品や飼料などの粉体を搬送するための装置です。チェーンやベルトを用いたり、ガスを吹き込んだりして水平・垂直方向に移動させます。

粉体搬送コンベアは、人力に頼らずに搬送したい場所まで運べる装置です。自動で搬送できるため、搬送にかかる人員を極力減らすことができる点は大きなメリットと言えます。また、仕様によっては、粉末の飛散や異物の混入がしにくいようにすることが可能なため、導入をお考えの方も多いでしょう。

今回のコラムでは、粉体搬送コンベアの輸送方法を解説します。まずはどんなものを運ぶことができるのかを詳しく確認していきましょう。

粉体搬送コンベアはどんなものを運ぶの?

粉体搬送コンベアは、微粉末のものや錠剤などの小さくて軽い物質を運ぶことができます。たとえば、以下のようなものが挙げられます。

  • 化学製品
  • 食品(玄米・大豆・コーヒー豆・小麦粉など)
  • 薬剤(錠剤・カプセルなど)
  • 飼料・肥料

用途を見ると、多岐にわたる分野で利用されていることがわかるでしょう。粉粒体、粉砕剤、ペレット等、小さいとはいえ形状や大きさ、重さは異なります。搬送したい大きさや種類に応じて、適切な方式が異なりますので適切な装置を選びましょう。

粉体搬送コンベアの輸送方法

粉体搬送コンベアの輸送方法には、どのようなものがあるかご存知でしょうか。主な輸送方法は、以下のとおりです。

  • 水平輸送
  • 垂直輸送
  • 水平と垂直の組み合わせ輸送

輸送方法は複数ありますので、コンベアを導入する目的に合わせて、最適な輸送方法を選択することが大切です。たとえば、ホッパーの上から粉体を流し入れることを目的として導入する場合、ホッパーの上まで粉体を搬送しなければならないため、一般的に垂直輸送が適しています。

ここからは、それぞれの輸送方法の特徴を詳しく解説しますので、粉体搬送コンベアの導入をお考えの方は参考になさってください。

水平輸送

水平輸送は、ベルトやチェーン、粉体同士の摩擦などを利用して、コンベアに入れた物体を水平方向に移動させる方法です。連続的に同じ方向に材料を搬送することができます。たとえば、粉砕したものを別の場所へ移動させる際に、袋などに入れて搬送すると移動に時間や手間がかかるだけでなく、運ぶための袋や箱を準備する必要があります。

そこで、ベルトコンベアなどで連続的に搬送することで、大量に効率よく運び出すことができます。

垂直輸送

垂直輸送は、文字通り粉体を垂直方向に運ぶ方法です。コンベアに入れたものを上部に運搬したり、下に降ろしたりする際に使用されます。

先ほど例に挙げたように、上からホッパーに材料を入れる必要がある場合、この方法で材料を上まで運んで輸送します。サイズにもよりますが、水平輸送よりも幅を取らないため省スペースで設置できる点はメリットと言えます。

何度も高所・低所に運搬する必要がある場合は、垂直輸送の粉体搬送コンベアの導入を検討するとよいでしょう。

水平と垂直の組み合わせ輸送

粉体搬送コンベアには、水平と垂直を組み合わせた輸送方法もあります。

水平と垂直を組み合わせた輸送は、水平・垂直の方向だけでは目的の場所まで運べない場合に使用される方法です。水平・垂直方向に一回ずつという制限はなく、水平→垂直→水平のように、同じ方向を何度も組み合わせられます。レイアウトの自由度が高いため、限られた工場スペースで効率的にラインを構築できるというメリットがあります。

また、場合によってはコンベアに傾斜をつける場合もあり、傾斜をつけることでこぼしたり飛散したりするのを防ぐことができます。

必要な機能を搭載した粉体搬送コンベアを導入するには?

粉体搬送コンベアを導入するには、以下のような方法があります。

  • カタログなどで既製品から探す方法
  • 既製品をカスタマイズする方法
  • 特注する方法

通常は、既製品のラインナップから導入目的に合ったコンベアを探すでしょう。しかし、既製品では目的や用途、作業環境に合わない場合もあります。特殊な状況で搬送コンベアを導入したい方は、既製品の一部をカスタマイズしたり、特注したりする必要があります。

既製品のカスタマイズにつきましては、メーカーが対応している場合があります。また、設計・製造会社でも、特注品製作や既製品のカスタマイズに対応している可能性があります。

安久工機では、搬送装置の設計・製造の特注製作や開発・試作に対応しております。搬送装置は導入目的によって、形状や必要な機能が異なりますので、まずは気軽にご相談ください。

粉体搬送コンベアの特注の仕方

安久工機で粉体搬送コンベアの特注を行う場合、主に以下のような手順で行います。

  • お問い合わせ
  • ヒアリング・打ち合わせ
  • 仕様検討
  • 構想設計・基本設計・詳細設計
  • 加工・部品の調達
  • 組立・調整

あくまでも特注品製作をする場合の一例です。ご依頼内容によって流れは異なりますので、ご留意ください。

問い合わせ前に、必要な機能や大まかなサイズ・形状のイメージを決めておくと、要件の整理がスムーズに進みます。また、後から「この機能が必要だったのに忘れていた」といったミスを防ぐこともできます。

運搬する粉体や作業環境に合わせたフレキシブルな設計

特注での設計・製造につきましては、柔軟な対応や提案が求められる場合があります。安久工機では、これまでに医療機器をはじめとする、さまざまな分野における製品の開発・試作や特注品製作を行って参りました。

豊富な実績もあることから、お客様のご要望を最大限に設計へ反映する設計・開発力に自信があります。また、課題や問題に対しては、必要に応じて適切なご提案を行うことも可能です。

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