治具製作を依頼する際の2つのポイント
治具製作を依頼する際のポイントとして、主に以下の二つがあります。
- 使用目的と作業環境を明確に伝える
- 仕様や設計情報を詳細に共有する
治具製作をスムーズに進めるためには、事前準備が欠かせません。依頼前に使用の目的や求める機能、寸法・材質などの具体的な情報を整理しておくことで、設計ミスや納期遅延、コスト増加などのトラブルの防止につながります。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。業者への治具製作の依頼を検討している事業者様は、ぜひ参考にしてみてください。
使用目的と作業環境を明確に伝える
使用目的と作業環境を明確に伝えることは、治具製作を依頼する際に重要なポイントです。
どのような加工工程・部品・材質への使用を想定しているのかが明確になっていないと、要望どおりの治具が納品されない可能性があります。
作業スペースの広さや使用する機械・工具の種類などの把握も、治具製作には大切な要素です。高品質・高精度な治具を製作できたとしても、現場に設置できなかったり使い勝手が悪かったりしては意味がありません。的確な現場の情報共有が、トラブル防止につながります。
仕様や設計情報を詳細に共有する
治具製作を依頼する際は、仕様や設計情報を詳しく共有することも大切です。寸法・材質・精度などの製作に必要な情報を正確に共有することで、品質や納期のトラブルを未然に防げる確率が高まります。
例えば、穴径の寸法を「φ10」とだけ記載していた場合、一般的には公差なしの10mmと解釈されることが多いです。しかし、実際には10H7(高精度なはめあい)を求めていた場合、仕上がった治具が組み付けできず、再加工や再製作が必要になることもあります。
治具が使われる現場や用途によって必要なスペックも異なるため、設計段階から業者としっかり連携し、不明点は早めに擦り合わせることが重要です。
治具製作を依頼する業者の選び方
治具製作を依頼する業者は、以下の基準をチェックして選ぶことが大切です。
- 製造現場や加工方法に精通しているか
- 治具の設計力・提案力があるか
- 試作や小ロットにも柔軟に対応できるか
価格や納期だけで業者を選定すると、仕様を満たした納品物に仕上がらない可能性があります。それぞれのポイントを整理し、一社ではなく複数社で比較検討しましょう。
ここでは、業者を選ぶうえでチェックすべき三つのポイントについて、詳しく解説します。
なお、安久工機では、治具製作などモノづくりに携わり続けて50年以上、10,000件以上の実績があります。豊富な経験から、設計、改善などをご提案させていただくことも可能です。
製造現場や加工方法に精通しているか
製造現場や加工方法を理解しているかは、治具製作の依頼先を選ぶうえで重要です。
現場を理解していないと、理論だけで設計が進み、使い勝手の悪い治具に仕上がる可能性があります。使い勝手の悪い治具は、導入しても作業効率を下げてしまう可能性が高いでしょう。最悪の場合、治具を設置しても工具と干渉してしまい使い物にならないケースもあります。
現場の知識がある業者なら、作業効率や安全性、メンテナンス性などを考慮し、実用的で使いやすい治具を提案してくれます。導入する効果を最大限に発揮できるよう、依頼前に現場の知識や経験のある担当者がいるか確認しましょう。
治具の設計力・提案力があるか
治具製作は、設計力や提案力のある業者に依頼することも大切です。
依頼元から提示する図面内容が、必ずしも最適であるとは限りません。使いやすさや耐久力の向上、無駄な部品の排除など、改善できるポイントがあることも多々あります。
単に図面どおりに仕上げるだけの業者だと、改善策を示してもらえず、追加製作の依頼が必要になる場合もあるでしょう。
設計力・提案力のある業者であれば、製作前に改善ポイントを指摘・提案してくれる可能性があるため、手戻りを防げます。作業の段取りが簡単になったり、コストダウンにつながったりする構造・機能を提案してくれる業者に依頼することがおすすめです。
試作や小ロットにも柔軟に対応できるか
試作や小ロットでの製作にも柔軟に対応してくれる業者は、開発やコスト面でのメリットが大きいです。
初めて製作を依頼した治具をいきなり大量生産することはほとんどありません。設計した治具が想定どおりに機能しないと、大量に製作した物が無駄になってしまうためです。大量生産後のトラブルを防げるよう、まずは試作品を作り、使用感や改善点などを確認していくのが一般的です。
試作を受けてくれる業者であれば、設計変更や改善にも臨機応変に対応しやすく、長期的な依頼先としても信頼できるでしょう。
治具製作の依頼から納品までの流れを解説
治具製作を業者に依頼する際は、以下の手順で問い合わせから納品まで進むのが一般的です。
- 問い合わせ
- 仕様の打ち合わせ
- 見積書の作成
- 詳細設計と製作
- 納品
問い合わせの段階で治具の使用条件、仕様、予算などを業者に伝えるとその後の段取りがスムーズに進みます。
問い合わせ後は、業者と打ち合わせを行い、お互いの認識を擦り合わせましょう。治具の仕様が定まれば、図面・イメージをもとに業者が見積書を作成します。製作内容や見積内容などに納得できるまで、複数回打ち合わせを行うケースもあるでしょう。
依頼内容の合意後、注文を受けた業者は治具の製作に取り掛かります。進捗状況に応じて、適宜仕様の確認や納期の調整などが入ることもあります。
製作が完了したら、寸法などを検査した後に納品となるのが一般的です。
治具製作の依頼先にお悩みなら安久工機へ
治具製作を依頼する際は、事前の準備をしっかりしておくことでその後のやり取りがスムーズになり、トラブルも避けやすくなります。本記事で解説した点も踏まえて、理想の治具を納品してもらえるようにしましょう。
安久工機は、治具製作の実績が多数ございます。チューブ拡張治具、光学系治具など、お客様のご要望に合わせて設計段階から経験豊富なスタッフが対応いたします。
設計図がない、一緒に改善案を考えてほしいなど、治具製作に関するお悩みは、お気軽に以下のフォームよりお問い合わせください。
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電話番号:03-3758-3727
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